潮風の中で〜クルーズと街歩き・覚え書

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zoom RSS 前回に続いてもう一度。ヴェネツィア談義を。

<<   作成日時 : 2013/11/26 16:03   >>

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ヴェネツィアが大好き、である。
自分で言うのも妙だが、無垢な少年少女の心のように、純粋に焦がれている。


画像

この街は、観光名所よりも、普段の顔の方が格別好きである。崩れかけた、煉瓦がむき出しの壁と青い運河の対比とか、細い迷路のような路地や小運河、リオの上にはためく洗濯物とか、乱雑な木杭の向こうに並ぶ邸宅、パラッツオ群とかに魅惑される。


画像まだ少年であったころ。

偶然、街頭ですれ違っただけで頬がほてり、ましてや「こんにちは」などと声をかけられたりすると。
穴があったら入りたいほどの心もちになって小走りに逃げ出し、遠く離れた場所で振り返って芥子粒ほどの彼女の姿をはるか木立の陰に見えるだけで心がピンク色に染まって浮き立った、10歳以上年上の、近所のお姐さんへの憧れにも似た心情。ではあるけれども。。。


画像1000年を超える歴史をとどめ、華麗な装いのパラッツオ群が街の“顔”であるカナル・グランデ沿いを飾るこの街。

中世の華やかさを今なおとどめる半面、路地に紛れ込めば崩れかけた煉瓦壁、すり減って摩耗した敷石や飾り石なども結構目立って、齢を経た人間の厚化粧姿に見えなくもない一面をもとどめる。


画像で。
都市としての年輪と印象でたとえてみれば。

ひょっとすると。
あのころに憧れたお姐さんのごとく。。。

この街に失礼で申し訳ないハナシかもしれないが。
かつてルネッサンスのころの、この街爛熟の時代のころ。
コルティジャーナと呼ばれる知性高き高級娼婦をはじめ、街の女性10人に1人は、日本式で言えば“芸者”であった歴史のごとく。わが心うちでは、妖艶で蠱惑的な年増女郎ほどの印象であり、位置づけになるのかもしれない。


画像講談社刊『ヴェネツィアー水上の迷宮都市』で、非日常的な祝祭空間と看破された陣内秀信法政大教授の言葉通り、華麗な舞台でたゆたう華やかな香りが、この街に沁み込んでいるように思う。

その街への、海からの玄関にあたる一番の祝祭舞台へ、大型クルーズ船のシャットアウトが決まったハナシを書いたのが前回。


画像前回は、あれでもう、この話は打ち切るつもりであったのだが。。。
もう一回だけ。
もう一回だけ、こちらに、残る思いのたけを書き残しておこうと決めた。

先だって。
You Tubeにアップされている2つの動画をお借りした。






「NO GRANDI NAVI、大型船はいらない!」と運動を続けてきた環境保護団体「イタリア・ノストラ=ITALIA NOSTRA」。。。我らイタリア、とでも訳せばいいのだろうか。。。の、昨年の、彼らのアクションデーの動画だ。

この動画をどう見るか、どう判断するかは、それぞれ人によって違うだろうが。。。

画像次元の低い素朴なハナシでなんだけれども。

自分は、そのカウント数の少なさと、伸び悩み具合に、ちょっとびっくり。
さすが、良くも悪くも個人主義に徹したイタリアだな、と。
そして画面に登場する人々の姿も、反日を謳ってわが国の旗に火を放ち、工場を焼き討ちし、大使館に卵やペンキ缶を投げつける東アジアの某国やもう一つの国のそれと違い、デモとは似合わないほどの笑顔や笑い声が混じっていて。イタリアではやっぱり、デモさえ一種のお祭りなのかな? と。ちょっと心楽しくなる始末。。。


画像

水の上の街ならではのスタイルで、この街で働く人々の姿も好きだ。普通の街なら車や何でもない運搬車両、乳母車なども、独特な仕掛けやコツがあったりで、眺めていると面白い。


画像ということで。

もう一度、ヴェネツィアとクルーズ船のハナシを。

まずは、上の環境保護団体やヴェネツィアに住む人々のブログなどから教わった、ヴェネツィアの人々が「ノー・グランディ・ナヴィ!」大型船はいれない!、と叫ぶ背景や、ここ最近の動向から。。。

大型クルーズ船が、この街の住民たちに与えている直接的な影響は、以前、一度書いたことがある。


画像たとえば。

今から数百年昔、中世に造られた邸宅、パラッツオ群が、運河を通過する船のスクリューから発生した微振動のため、ラグーナの水を介して本島の住宅群の地下に埋まる打ち込まれた丸太の基礎に伝わてきて、窓ガラスが振動し、壁が揺れてひびが入る。


画像大型クルーズ船の舳先で切る波浪が水中の壁を繰り返し叩いて壁が崩れる。アクアアルタと重なると、排水路から中庭まで水が逆流してきて、アクアアルタの被害をより高める。

小さな船ならば起きるはずのない、大型船ならではの水深7〜8メートル付近で回転するスクリューがラグーナの底の汚泥をかき回し、ラグーナの自然を破壊し始めた。 などなど。


画像アクアアルタの始まる秋のはじめ、自分もこの街にちょっと長めで何度か滞在して、その光景の一端を目撃してきた。

その中での、この大型クルーズ船の排斥運動。。。
素直に理解できる。


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ヴェネツィア本島の北側、バードアイで眺めてサカナの背中に当たる部分の、ラグーナを隔てたすぐ近くに墓地の島、↓サン・ミケーレ島がある。その島に面した本島側のラグーナ沿いの道、フォンダメンテ・ヌオーヴェの水上バス停留場付近には、お墓参りをする人々を対象とした花屋、棺桶屋などが並んでいる。こちらのオープン・カフェで休憩しながら眺めていると、高級な花束が良く売れる。敬虔なカトリック信徒が、この島でも非常に多いと感じる。


画像ヴェネツィアを訪れる観光客は、年々増加し続けて2012年で1200万人を超えたそうだ。
うち、クルーズ船でやってくる観光客は。。。
2012年で661隻が入港し、170万人が船のタラップを降りた、という。
全入り込み観光客のうち、およそ7パーセントに当たる。


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上から眺めて魚にたとえて、その尻尾に当たるカステッロ地区は、観光客の立ち入りは少ない、市民の街の性格が強いエリアだ。このあたりでは、お年寄りの姿が目立つ。本島に住む住民は年々減り続けてついに6万人をも切ったが、通り過ぎるだけの旅人に過ぎない自分には、ひと昔、ふた昔前に比べて、こちら辺りではあまりお年寄りの数も↓子供の数も、減ったようには見えない。


画像入り込み観光客の増加率は、クルーズ船の来航の激増、アジア地域からのツアー客の増加などが加わって近年すさまじく、1997年対比5倍に激増。自分が初めてこの街発着のクルーズ船に乗った2004年統計と比べても、当時の640万人から2倍近くに増えている。

これら観光客全体がヴェネツィアに落としていったお金は、およそ2億5500万ユーロ。
1人当たりの消費金額は、ヴェネツィアには宿泊せず、2〜3時間、サンマルコ付近に滞在しただけで帰って行く、例えば日本やその隣国などアジアの値ごろなツアーに参加する陸旅客で、アンケート結果では一日あたり16ユーロ平均。

画像「ちょっとお金持ちの」クルーズ船乗客、つまり、宿泊も食事も船で賄う日帰り観光客でおおよそ56ユーロ。
平均滞在日数3・4泊だという、陸旅宿泊客の場合で一日平均の消費額が130ユーロ余り。

ヴェネツィアは、まさに「観光立国」が成功し、ほくほく、なのだとわかる。

しかし、この消費金額対比で。
さまざまに観光デメリットが拡大し、その最たるものが、ヴェネツィアを破壊しかねない大型クルーズ船なのだという。


画像


サンタルチア駅の北側に当たるカンナレジョ地区の奥深くも、地元住民の街だ。サンマルコ界隈では土産店しかないテント屋台も、取扱商品は土産物はがっくり減り、替わって衣類などの日用品が増える。
↓こちらには、世界初のユダヤ人居住エリア、ゲットーもある。住宅地エリアの狭い島の街だけに、ゲットーに入ると、通常は5階建てほどの高さの建物が、天井は低く、その代り床面積を増やして7階建て、8階建てとする建物が抜群に増える。


画像



画像というわけで。
この街は、上に挙げた「イタリア・ノストラ」や地元の方々の主張のサイトなどを眺めていると、「観光客が減ってもいい、ラグーナと街の平穏な日常を取り戻す」方向へ舵を切り始めたのだと思う。
「観光客も増えたが、苦渋も増えた」などと訴える声が、目に、耳に痛い。


画像と言いながら。
この街は観光客抜きでは成り立っていかない財政的な宿命を抱えているのも事実。
そのあたりは住民たちも、この街をどう維持し、将来像を描いていくか、などの権限を持つリーダーたちも深く認識しているとみえ、一方で、ビジターに居心地良い観光行政をと、端々に目を光らせているのも事実。


画像一介のヴェネツィア好き人間として、この街を訪ねることに遠慮とか躊躇とかは全く感じないが。。。
今回の大型クルーズ船規制に続き、その後、どう事態は推移していくのかまだはっきりとは見えないものの。。。


画像前回、半ば冗談、半ば本気で「ラグジュアリー船は乗れない、乗れない(涙」と書いた、そのラグジュアリークラス、4万トン未満の船で、これからは、クルーズ船で訪ねた場合にこの街に入ることに決めた。


画像そして。
この街の魅力は。
本当ならば、ちょっと長めの滞在をして、この街の人々の生活を垣間見る旅でないと、わからないのではなかろうかと、本気でそう思うようになった。

今回は。
そういうことの、「覚え書」である。


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画像ヴェネツィアの、カンポと呼ぶ、市民、住民たちが多く住む核の広場では、黄昏時を迎えると周辺の多くの住民たちが三々五々、集まってきて、腕を組んで、こちらでは「リストン」と呼ぶ散歩を始めたり、群れ集まって議論したり情報交換したり井戸端会議したりする姿が溢れる。
↑ は、そのリストン発祥の広場ともされるサント・ステファーノ広場。仮面と華麗な衣装で着飾ったカルナヴァーレ、謝肉祭も、この広場で始まった、と言われる。
映画「旅情」では、キャサリン・ヘプバーンは水上バスを降りた後、この広場を通って宿泊するペンションへ向かった。
↓は、同じくリストンや井戸端会議で賑わう、リアルト橋に近い、宵闇のサン・バルトロメオ広場。



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