潮風の中で〜クルーズと街歩き・覚え書

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zoom RSS 「スピリット」でNCL初乗船。船内に漂う“中国”の薫り。

<<   作成日時 : 2016/12/01 15:14   >>

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サン・マルコ寺院正面を飾る、コンスタンチノープルからの略奪品、ブロンズの馬。映画にも登場。貴重な歴史遺産だけに四頭の馬はもちろんレプリカ版で、ホンモノは風雨にさらされぬ寺院の奥深くに仕舞い込まれているが。。。


ダン・ブラウン原作、“ロバート・ラングドン教授”シリーズ第3作映画『インフェルノ』を、公開初日からほぼ1カ月遅れで、ようやく見てきた。


感想。

結論から書けば、「まずまず面白かった」だが。。。
エンディングが、原作の小説とかなり違っていて、少し戸惑った。
しかし。
まずまず、こんなものかな? と。


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映画の主舞台であるフィレンツェの光景が美しかった。上写真はヴェッキオ橋のヴァザーリの回廊。

画像少々生意気だが。。。
今回の原作の中身と質とひきあわせて考えれば、これでいいのかな、と。
アメリカニズムの正体はやっぱり、小説も映画も同じ、ダイナミックで早い展開をめまぐるしく投射するエンーテイメント性だけで充分で、そのストーリーテーラーぶりを愉しめばいいだけなのかもしれない。





原作、“ラングドン教授シリーズ”の第2作『ダ・ヴィンチ・コード』では、四福音書を柱とした常識的な新約聖書の世界に、あたかもそれが、隠されたキリスト教の真実でもあるがごとくの虚構が盛り込まれて、その虚構の中に宗教の神秘性を忍ばせる精神性、と言うか、心の内を覗き込みさせるような啓示が面白かったのだが。。。

映画化第2作の原作『天国と地獄』に続く、映画化第3作、小説シリーズとしては第4作の『地獄(インフェルノ)』とも、神秘性(ミステリー)の面白さを土台とした「推理小説&映画(ミステリー)」の楽しさは、あまり感じなかった。


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上写真は花の聖母大聖堂内部。
ドメニコ・ディ・ミケリーノの神曲に浸るダンテの絵はこの聖堂の壁を飾る。


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ダン・ブラウンの『デセプション・ポイント』などの“ノンシリーズ”などと同じく、ストーリーテーラーぶりに満足すれば充分なのかもしれない。
で。
もう、いらぬ期待はしないことに決めた。


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物語最後のステージはイスタンブール。
↑ アヤソフィア。

下写真は、映画でも話題として登場した、その2階にある、ヴェネツィア共和国第四次十字軍を率いた時のドージェ、エンリコ・ダンドロの墓。


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最後に。

スクリーンの景色は、今回も美しく魅惑的であった。

映画でのシリーズ第1作、レオナルド・ダ・ヴィンチを象徴として借用した作品のロケ地はパリとエジンバラ郊外ほか。ガリレオとラファエロ・サンティ、ベルニーニを象徴とした第2作はヴァチカン&ローマ。ダンテを象徴とした今回は、フィレンツェとヴェネツィアとイスタンブール。

旅の視点で眺めていて。。。
とてもきれいで魅惑的なアングルで描かれた街並がナイスであった。


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↑ “地下宮殿”とも呼ばれる、映画のラスト場面に登場した、336本の石柱で支えられた壮大な地下貯水槽。



『汝らは獣のごとく生くるため造られたものにあらず、徳と知識を求めんためなり』。(ダンテ 「神曲-地獄編二六曲〜一二〇」)。

もう、この歳になって実現不可能と諦めてもいい教えであるが。。。

やっぱり、地獄には行きたくない思いが強く、現在はラヴェンナにあるダンテの墓とミュージアムのデスマスクを連想し、スクリーンを眺めながら一方で格言を思い出して、居住まいを正した瞬間もあった、今回の映画鑑賞であった。




♩ ♪ ♫ ♬ ♭ ♮ ♯ ♩ ♪ ♫ ♬

         ♩ ♪ ♫ ♬ ♭ ♮ ♯ ♩ ♪ ♫ ♬


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NCLのクルーズ船に初めて乗ってきた。
船隊14船のうち、トン数最小、75,338トン、乗客定員2000人の『ノルウェージャン・スピリット』である。

この船。
前身は、NCLの親会社、華僑系エンターテイメント国際企業「ゲンティン香港」傘下で、シンガポール発ショートクルーズをメインとするクルーズ・ライン「スター・クルーズ」に2004年まで籍を置いていた『スーパースター・レオ』だ。


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その船暦は乗る前から知っていたが。。。
乗って意外であった。

その一つ。

NCL“移籍”後の現在も、船内の設備や内装などはほとんどいじられれておらず、わが一族の孫や子供を引き連れて10年前の早春に一度だけ乗った「スター・クルーズ」の「スーパースター・ヴァーゴ」と、何から何までそっくりであった。


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普通、クルーズ客船が他クルーズ・ラインに身売りすると、隠す、というほどではないにしろ、前歴があまり判らないように雰囲気を変えた内装に模様替えすることが多いと聞く。

が。

この船の場合は正反対。
この船と「ヴァーゴ」は、クルーズ客船では珍しく、乗船客が好きな時にいつでも自由にブリッジをのぞける仕掛けの小部屋がブリッジの船尾側にガラス窓一枚挟んで設けられているのだが、その小部屋の、ブリッジとの間の大ガラスの前に、堂々と「Star Cruises SuperStar Leo Captain's Bridge」の表示が多分昔そのままに掲げられていた。


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船の顔、「グランド・セントラム」の名を持つ吹き抜けの中央ホール。細部の飾り付けを除けば、以前に乗った「スーパースター・ヴァーゴ」と瓜二つ。やっぱり姉妹船であった。

画像←「ヴァーゴ:の前身を隠すどころか、堂々とそれを誇りとしている風情であった。


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画像船尾のキッズ用プールエリアも、←「スーパースター・ヴァーゴ」のそれとよく似て見えた。



当然、内装は、いたるところに中国のたたずまい。
プラス、同じアジアンティストの雰囲気をさらにグレードアップするべく、添え物のように鎧兜など日本をイメージする飾り小物も多様に使われていたが。。。


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親会社ゲンティン・グループは、スタークルーズに続いてNCLを傘下に収め、さらに昨年には、日本郵船が北米で長年にわたって育んできた高級ラグジュアリー・クルーズ・ライン、「クリスタル・クルーズ」をも手中におさめたばかりである。日本人クルーズファンをがっかりさせたあの高級船ラインも、華人がトップに座すこのグループに
身請け?されたのだから。。。

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西安兵馬俑(へいばびょう)で発掘された兵士たちにそっくりの、多分レプリカ人形が、アジアン・スタイルのレストランが並ぶデッキ8の通路に並んでいた。欧米人にはオリエンタル・ムードを醸す良い雰囲気素材なのかもしれないが、わが家の連れ合い、相棒は「もともと始皇帝陵から20世紀に発掘されたものでしょ? なんとなくお墓を連想して、食べ物処の飾りとしては違和感がある」と唇をとんがらせていた。


ちと別の動機、他愛のない理由ででこの船を今回選んだのだが、ま、それはともかく、初めて乗った以上、日本船が果たせぬクルーズ客船の国際化、経営の大型化を、華人グループがなぜ、どうやって果たしているのか、ちょっと意地悪にのぞき見もしてやろうと色眼鏡をかけて目を光らせてきたのだが。。。

結論は、ちと、解らなかった。クルーズ好きなだけの経営素人には、見えてこなくて当然であったのだろう。


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画像パブリック・スペースのレストラン街の壁に、19世紀初頭の清朝末期から大東亜戦争時代に制作された招貼(ポスター) のレプリカ版がノスタルジックに飾られていた。よく見たら、日本の会社の中国版ポスターだった。



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船内新聞「FREESTYLE DAILY」。
毎日の新聞は日時、天気予報、日の出、日の入り時間のほか、初日分から「DAY1」「DAY2」などと、1クルーズで終結する体裁で作られていたが、内容はほとんどが「記事」というよりも「告示のメモ」を置き並べた、裁判所民事部の不動産競売物件の一覧風で、あまり楽しさはない作りであった。


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「スターダスト・シアター」という名の劇場は、船尾、メイン・ダイニングの上階2フロアを使って置かれていた。劇場が船尾にある船は、わが体験では、姉妹船の「ヴァーゴ」に続いてわずか2船目。「船尾に劇場があるなんて。。。」と当初は違和感を覚えたが、夕食を終えた後劇場へ駆けつけるのが楽で、案外使い勝手は良かった。船のスタッフの話では、NCLにはほかに「サン」と「スカイ」の2船あるという。



最後に。

船の雰囲気同様、目だったのが大陸中国人の乗船客数の多さ。


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今回、この船では、国籍別乗船客数を教えてくれなかった。
ひょっとすると、しつっこく訊ね続ければヒントくらいはくれたのかもしれないが。。。
一度断られて、面倒でもう聞くのを止めた。しかし、中国発着のアジア圏ショートクルーズではないヨーロッパの海域で、これだけ数多くの中国人に出会ったのは初めての体験。。。

。。。なもので好奇心抑えがたく。

代わりに、ダイニングやビュッフェでの食事時に出会ったさまざまな人たちとの情報交換、というか、会話が弾んで得た情報によれば、中国人は大陸南東部、江蘇省を中心とした総勢160人規模の団体パッケージツアー1組で、一人3万元〜で参加したのだとの由。

1元≒16円換算で50万円弱か〜お金持ちぃ〜〜


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欧米を巡るクルーズ船で過去、出会ったことのなかった大陸からの大量中国人団体ツアー客は、同じエリアの陸旅の土産物店などで出会う中国人ツアー客に比べて、意外なほど静かに、周囲に気を配りながら行動していた。

寄港地の観光も船のショア・エクスカーションは利用せず、ツアー会社があらかじめ用意した観光地巡りに全員が参加。船の白いエクスカーション番号板と違う、いかにも中国人が好きそうな真っ赤な番号札をツアコンが高く掲げ、クロアチアやモンテネグロなど、停泊港の地元のガイドを同行のうえ、ある時は3隊、別の地では4隊にと編成を変えながら、自分たちグループだけで観光地巡りを続けて、他の国の乗船客との触れ合いを全くしなかった。


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ある日の朝食時、こちらのショア・エクスカーションの出発時間が早いため朝ごはんを早く済ませるのに相棒と一緒にビュッフェへ出向いた。と、フルーツを取る連れ合いの前に並ぶ中国の方々の最後尾の女性が担ぐデイパックのひもが締められておらず、中身が丸見え。財布らしきものもしっかりと顔をのぞかせているため、相棒が彼女に、中国語は分からないもので英語で注意した。

と、途端に彼女は非常警戒モード。
ひょっとすると、敵対??する日本人に嫌がらせをされたとでも思ったのだろうか。。。

(このツアーの参加者のほとんどは英会話が出来ないと同時に、簡単な英単語も理解できなかったようだ。ファッションは、いかにも中国的な、しかし、そこそこ中、上流階級の雰囲気。女性のほぼ100%は、日本で1950〜60年代に流行したのと同じ、ちりちりパーマだった)。

周囲の仲間の女性たちと、振り返ってこちらを取り囲むようにワイワイガヤガヤ。そこで、自分が、近くにいたその仲間一人の手を無理やり引っ張り、嫌がるその手を開いているパックの中に誘導。ようやく、こちらの注意していることを全員が理解して、あとはみんな、笑顔で「謝々」と。敵対モードに一時はどうなるかと思ったが、無事お収まった。


彼らは、旅行社から事前にかなり教育を受けたのだろうか。

大声で賑やかに騒ぎながら食事を摂る光景はまったくなく、かつてシンガポール発着クルーズで見たような、デッキで誰はばかることなくタンや唾を吐き散らす光景もなく、驚くほどに周囲の欧米客の中に溶け込んでいた。ただし、これはツアーコンダクターから指示されていたことなのだろうが、「フリースタイル・クルージング」を謳って船内に数多くのレストランが並んでいるにも関わらず、人気の鉄板焼き、寿司、イタリア料理などの有料レストランはもとより、無料のメインダイニングやアジアンテイストのダイニングでもその姿は皆無で、ほぼ全員が朝、昼、夜ともビュッフェで摂っていた。


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しかし、マナー違反はいくつか。
それは、ビュッフェのドリンクバーからの、マイボトルへの水の注ぎ込み。160人分のマイボトルが毎朝、水の注ぎ口に集まるのだから欧米人の白い目と非難が集中し、そのクレームを受けた船側では何回も言葉を変えながら、中国語で手書きの注意文を掲示していたが、結局、下船時までそれは止まなかった。

時にその行為は、ビュッフェのみでとどまらず、デッキ7のカフェでも行われ、自由にコーヒーやジュース、水を飲めるマシンの前は何本ものボトルを持った独りの中国人に占拠され続けて、そのマシンの前でコーヒーを飲んでいた我々のテーブルは、断りもされずに、そのボトルの置き場所として使われた。

画像しかし、まぁ。こんな現象は中国人のみにあらず。日本のツアー客たちの中にも、「マシンの前で水を直接くまなかればいいのヨ」と、マシンで一度、コップに水を受けて、近くのテーブルでそのコップの水をマイボトルに移し変えている人たちを結構見たし、南米組も威風堂々?と、マシンを占拠していた。

脱日常し、非日常の世界を求めてクルーズ旅に出たつもりだが。。。どこかご近所の街へ出かけて来ただけのような、良く言えば気安さ、気楽さ、普通に言えば「クルーズ旅って、もう、夢も華やかさも縁のないありふれた現代世界に成り下がって行っているのだなぁ」という一抹の寂しさをしみじみと感じた、今回のクルーズ旅であった。


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なお。

日本人は、個人旅行組が、出会って確認とれただけで6組、13人、ツアー1組、およそ60人余り、で計80人弱。

明らかに南米人だとわかる人相風体のポルトガル語&スペイン語を話す人々も、お決まりの五月蠅いほどの賑やかさで笑い声が周囲を席巻し、目立っていた。

ショア・エクスカーションで出会ったAnglosphere何人かの話によれば、米国人は300人ほど、英国人100人くらい、ドイツ人80人くらいかな、ということであった。






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