潮風の中で〜クルーズと街歩き・覚え書

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zoom RSS グリエ橋からゲットーへ。昨年晩秋のヴェネツィアで。

<<   作成日時 : 2017/06/24 23:16   >>

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紫陽花が、咲き始めた。

ひと様のハナシを書くことは好きではないのだが、今回一回限りで。。。多分、ホントに、もう二度と、ひと様のことは書かないに違いないと思う。


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昨日朝。
早起きが苦手なのに珍しく午前6時過ぎに目覚めて眠れなくなり、ベッドを抜け出して庭に出た。

この朝。
梅雨空は中休みとみえ、夜通し降り続いた雨こそ止んでいたが、数日前から季節入りした紫陽花は、前夜来の雨に全身ぐっしょりと水滴にまみれ、花も濡れそぼっていた。

リタイアして既に十ン、ン年。
目覚めても、なさねばならぬことなどさほどなく。
ちょっと早めだが、家に戻っていつものようにのんびりPCの前に座ったら、哀しいニュース=日本語版=が流れていた。


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享年34歳、だそうである。

悲しいナァ〜。哀しいナァ〜。

9か月前に「あわよくば」と、彼女が叫んだ30年、40年はとっくに過ぎた、
彼女の二倍以上もの齢の我が身が、のんべんだらりと生き続けているのに引き比べて。
あまりにも哀しい。

耄碌して涙もろくなったせいもあって。
世の中に何の役も立たない老夫婦、相棒と二人、しくしくしく。。。
涙を流し続けた。


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昨日昼過ぎに。
前日にうってかわって、再び暑い夏空が戻ってきた庭に出ると。
紫陽花たちの花の滴は既に乾いていて、すっくっと太陽に向かって屹立していた。
彼女の「こころ」を見た思いだった。

そうだ。決めた。
きょうからは、一日に最低一度は、かならず笑顔になってやるぞぉ〜。



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北アルプス、立山山ろくの「グリーンパーク吉峰」で、ラベンダー花まつりが人気を集めていると聞いて、本日午後、車を走らせて観てきた。

摘み取り、500円で60本、というお手頃価格に。
相棒が、たった60本だけだけれども。
摘み取らせてもらって車に持ち込み、帰宅したが。。。


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帰路の車内。

エアコンの微風に乗ってラベンダーの香りが狭い空間をひたひたと満たしていって充満し、衣服はもとより身体の芯まで薫りが染み渡って行くようで、ほくほく、気持ちが良かった。



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昨日夕刻に気がついた。

貝殻をまとった麦わら帽子が、わが家の離れの、夏休みと年末年始以外は誰一人登ったり下ったりしない階段の登り口に、ポツンと置き忘れられたように、残っていた。


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つい先、ハワイ島クルーズに出かけた際、マウイ島、カフルイ港の近くのショッピングセンターで、相棒が急きょ買い求めた、素朴な作りの、チープな価格の麦わら帽子だ。

旅で愛用の布製の日よけ帽は、リゾート地、ハワイではなんともTPOを外した場違いな装いに見え、彼女は急きょ、島を巡り始めた最初の寄港地で買い求めた品だが。。。


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日本に帰ると、今度はまた、逆の意味で場違いで。。。
忘れられたように放置されていた帽子は、フォーク・デュオ「トワ・エ・モア」の♪「誰もいない海」♪の歌詞やイメージに似て、なんとも寂しげで。。。

ハワイはやっぱり、とても素敵であったのに。
これは、近いうちに、もう一度、ぜひ、ぜひ。。。と、帽子に頭を下げて誓いたい気持ちになってきた。



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↑ その、ハワイ4島クルーズは一旦お休みして。
今回以降、しばらくは。
昨年11月5日発で、メンタル崩壊した精神疾患患者のごとくにまたまた反復、トライしてきた、“ヴェネツィア発”クルーズの、「覚え書」である。


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グリエ橋。


といっても。
今回の「覚え書」は、そのクルーズ旅の前段として前泊、滞在した間の、ヴェネツィアの街のハナシだ。

お決まりの“定番”観光地、サン・マルコ広場界隈やリアルト橋周辺のハナシはもう、我ながら飽きるほど繰り返して書いてきたので、今回はそれは割愛して。

まだ一度も。。。

(ブログを始める前を含めて何度かこのエリアも訪ねているが、確か、このブログではまだ何も)書き残していない、ヴェネツィアの6エリアのうち、セスティエーレ「カンナレージョ」のハナシを少々。。。


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そうそう。
ヴェネツィア旧市街北部、サンタ・ルチア駅前から東へ、サンティッシマ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会に至る「カンナーレジョ」エリアのうち、地理的に、だけはそのほぼ中心に位置する、ゲットー界隈の「覚え書」である。


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グリエ橋上から南を眺めると、カンナレージョ運河とカナル・グランデの合流点が見える。


ゲットー(Ghetto)。

20世紀前半、ナチス・ドイツのユダヤ人に対する蛮行で有名になった固有名詞で、ブリタニカ国際大百科事典では「16世紀以降、ユダヤ教徒をキリスト教徒から隔離するために生まれた、一つの都市内にあってユダヤ人を強制的に収容した居住区域」としている。

ヨーロッパ各地にあったゲットーのうち、いちばん最初に誕生したのは、このヴェネツィアのそれであった。
「ゲットー」の名前も、だから、ヴェネツィア生まれ。

12世紀以降、高利貸しなどでヴェネウィア経済への影響力を増し始めたユダヤ人を規制するべく、1516年3月下旬、第75代ドージェ、レオナルド・ロレダンと最高評議会[十人委員会」は、ユダヤ人の居住地域としてカンナレージョの、大砲など青銅の武器を製造していた鋳造所の工場跡地に決めた。

鋳造を、イタリア語ではGetoというそうだ。
後にナチスの蛮行につらなる、あるいは「アンネの日記」を書き残す少女の悲劇の引き金を引いた、ゲットー(Ghetto)、という言葉の誕生の瞬間であった。。。


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サンタ・ルチア駅前からゲットーまでは、歩いて15分ほどの至近距離だ。

その途中。
ヴェネツィア旧市街を逆「S」字型に流れるカナル・グランデと分岐するカンナレージョ運河(Canale Cannaregio)をまたぐ、ちょっと姿形の良い橋を一本渡る。

「グリエ橋」という。
13世紀に造られた木の橋を1580年に現在の石と煉瓦の橋に造り替えた、小さな橋だが、ヴェネツィアではリアルト、アカデミアに次いで有名な橋なのであった。
「グリエ=尖塔」の名の通り、橋の四隅に、大理石の尖塔を持つ。

ナポレオンの都市大改造で誕生したメインストリート、ストラーダ・ヌォーヴァーなどを通じて鉄道駅とサン・マルコ広場を結ぶ幹線に位置すると同時に、ゲットーに入る、入り口にたたずむ橋でもある。


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これまで何度か引用している、エッセイストであり作家、イタリア文学者でもあった須賀敦子は、ゲットーとともにエッセー集「地図のない道」の「その二、橋」で、このグリエ橋のことを取り上げている。

「小型のオベリスクのような角柱が欄干の両端についた、大きくはないけれど、どっしりとした大理石の橋だった。その日も彼女と一緒に渡ったはずのリアルトやアカデミアなどカナル・グランデの両眼をつなぐ橋よりも、どちらかというと地味なその橋が記憶に残った」。

ヴェネウィアを初めて訪ねて以来、何度もこの橋を渡っているが、須賀のハナシに深く同感する。同じ印象だ。


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グリエ橋からゲットーの中心、ゲットー・ヌオヴォ広場までは、距離およそ500メートル。細い路地を右に、左に10回ほど折れて、最後に小運河リオを一本渡り、おどろおどろしい、暗くて天井の低い、ちょっと怖い雰囲気の地下道、ソットポルテゴを越えれば、広場に出る。

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広場には、「イスラエルびとの休息の家」との名を持つユダヤ人の宿泊施設やいくつかのシナゴーク、ナチス・ドイツの蛮行によって虐殺されていったユダヤの人々の情景を描いたレリーフを数枚納めた壁などが並ぶ。


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こちら、ゲットーを訪ねる観光客は少ない。

かくいうこちらも、ゲットーを訪ねたのは、これで、わずか二度目。

20世紀のゲットーの暗いイメージが頭にこびりついていて、街はどことなく近寄りがたく感じるのが原因だ。
実際は、華麗に厚化粧した、サン・マルコ広場界隈のごとくの観光色だけが際立つのではなく、古い伝統のヴェネツィアの側面、生活する人々の匂い、普段の顔がのぞけて、結構面白いエリアなのだが。。。


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ゲットーの周囲のリオにかかる橋は、なぜか木の橋が多い。何か理由があるのだろうか?

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ゲットーを訪ねたことのついでに。

同じカンナレージョ・エリアの、ヴェネツィアの生んだ画壇の巨匠の一人ヤコポ・ティントレットの眠る、マドンナ・デッロルト教会へ足を伸ばしてきた。

2003年以来、実に13年ぶりであった。



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帰路のグリエ橋で。
ようやく雲は少し晴れ間をのぞかせて、西に傾いた太陽が、スポットライトを浴びせたように橋を明るく照らし出していたのが、なかなかに美しかった。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、hiroshiさん。

嬉しい応援コメントを頂きながら、こちらはコメントを残せずにすみませんです。

読ませていただいてますよ〜〜。
プライドオブアメリカのワッフルを始め、レストラン四方山話、かなり興奮しながら読ませていただきました。

奥様のお帽子。
写真を見た途端、大好き!
これ、可愛い、欲しい、色も可愛い!!
ストライクど真ん中〜〜でした。
奥様が被られたら、きっとチャーミングでらしたでしょうね。
お値段じゃないですよね、こういうのって。
顔に映えるか、ツバの長さとか、角度とか。
素敵な、お帽子です。

最後の一ヶ月に対するご家族の立ち向かい方にも胸迫るものが
有ったです。
若い方の一ヶ月を家で、って並大抵では出来ない事です。
暖かいご家族に囲まれていたからこそ出来たのだなあと、思いました。

健康で毎日過ごせるって、それだけで本当に幸せなことですよね。
しみじみ家でも話しました。


さて、ヴェネチアの続きも楽しみです。
もしかして。
協会前の奥様のお帽子も素敵です!

murmur1
2017/06/29 22:10
murmur1さん、こんばんは。

出かけていて、お返事が遅れました。

ありがとうございます。駄文をご覧いただいて、申し訳ありません。
帽子。
ねぇ〜。良いですよね〜。ワタクシメが選んで彼女に薦めました。お安い帽子でしたが、いかにもリゾート風で、良い雰囲気でした。

>健康で毎日過ごせるって、それだけで本当に幸せなことですよね。

ほんとに、ほんとに。

教会前で撮った相棒の写真は、そのとおりでして。。。2003年に撮った、旅の記録はまだビデオカメラ、記念写真だけカメラを使っていたころのものでして。。。
彼女は帽子好きですね。そういえば、ほぼ帽子をかぶっている写真ばかりですね。

夏休み、もうすぐですね。
今度はどちらにいらっしゃるのか?
ブログで教えていただけるのが楽しみです。
hiroshi
2017/06/30 21:13

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